基本給に残業代全部込みはこんなに危険

起業するとき、友人や後輩などに声をかけることってよくあります。 「一緒にやろうよ!と」で、うまくいけばいいわけです。うまくいけば。 ただ、うまくいかない場合、後で揉めるんだこれが・・・残業代とか。

これ多くないですか? 「給与は25万円全部込み。もうかったら払うからそれまで我慢してくれ!」 で、最初は残業バンバンでも我慢しますが、事業がうまくいかなければ退職します。

で、くるんだ~これが。残業代ウン何百万円払え!と。

 

月給25万円の残業単価ご存知でしょうか。

一年の労働時間で割るので会社によるのですが、約1,850円くらいです。 1日2時間くらいの残業はよくあります。たとえば月50時間の残業で92,500円。 これが、1年~2年で利息も含めると、請求は200~300万円です。

2~3人から請求されたら、普通払えないですよ。 公庫に、残業代が未払いで請求されたので、融資をお願いしますと言っても貸してくれないしね(笑

ましてや、感情がこじれると従業員も取れるものはとってやれ!となります。 実は、これ自体は正当な要求なのです。だって、残業して働いているわけですから。

 

しかし、「全部込みで25万円と言ったじゃないか。だから有効だ!」なんかそれでOKのような気がします。でもOKだったらメルマガを書かないわけで(笑 おそらく裁判では全否定されます。

現在、裁判所は基本給と手当(残業代など)は明確に区分しなさいという方向で落ちついています。 基本給に全部込みというもの自体、残業代逃れになる可能性があるため、認められません。

全て込みというのは、従業員が残業代を放棄しているようにも見えますが、労基法は法律です。強行的なものです。勝手に変えられません。

つまり、1日8時間1週40時間(一部特例あり)を超えると残業代の支払(1.25倍)が必要になります。

あ!基本給に全て込みという判例もないことはないです。

平成17年10月19日の東京地裁判決 有名なるモルガン・スタンレーという会社さんが、年俸制のディーラーに訴えられて、基本給に込みが認められました。

基本給に全部込み!となったわけですが、実はこの社員の給与月183万円です。ん?年じゃないですよ。年だと約2,200万円(他に数千万円の歩合あり)。

そのレベルであれば、経営者的に考えて動く局面があるわけで責任もあります。 それくらいの金額なら基本給込みでも認められる(確定ではなく可能性がある)こともあるということです。

と言ったって夢ですがね。従業員にそんな給与払うなんて・・・。気持ち的には払ってやりたくてもね。

 

社長さん、必ず言われるのですけどね。 「よく法律を知らなかったので」と。 ただこの問題、感情論になっているので(つまり痛めつけてやりたい的な)、なかなか手間隙はかかります。

はっきり言っておきますと残業代請求がきた場合、会社が無傷はまず・・・かなり・・・ほとんど無理です。 無傷どころか、どこまで減らせるかがポイントとなります。もし半分程度だったらガッツポーズ!と思ってください。

相手がお金に困っている場合もありますし、半分だったら明日にでも払うけど「どうだ?」で納得することもありえるからです。

ただ、通常7~8割の支払になる可能性が高いかな~。 勿論、相手もふっかけてくる場合も多いですし、裁判、任意交渉、あっせんなど色々な手続きもあるので、いちがいではないのですが。

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