1、融資に無担保・無保証の制度はあるけれど
日本政策金融公庫(以下公庫)に、新創業融資制度という1,000万円まで無担保・無保証人で、新規事業融資を行う制度があります。

ただ、制度としてあると言っても、当然のことながら保証人がいた方が融資がおりる(又は満額融資される)可能性は高くなります。

それでは、保証人というのはどのような人がいいのでしょうか?

2、保証人が必要な場合
今回はある社長を例にしてお話してみます。
A社は達磨を売っている会社さんでした。
地元密着型で商売を行ってきたのですが、ある時東京で働いていた社長のお嬢さんが退職し実家に戻ってきました。

そして、インターネットを使って販売すれば、小資本で新規顧客の開拓ができるのではないかと提案し、地元特産のこけしを売りだすことを提案したのです。

ネットで売れるかどうはおいておいて、パソコンの詳しいことは何もわからない社長ですが、やる気になってくれている娘に反対もできず、娘に全権を与えてHP作成費用と広告宣伝費、こけしの仕入れ費用等で、500万円を融資してもらうため公庫の窓口を訪れました。


しかし、公庫からの回答は、会社が前に借りた融資残債が残っているため、「社長さん。保証人をたててくれれば満額貸し出せる」というものでした。

ちなみに、この社長さんみたいに既に商売を行ってなくても、信用のない創業段階などは、保証人がいた方がはるかに有利になるというのは容易に想像できます。

3、どのような方が保証人に適しているのでしょうか?
話を聞いたお嬢さんは、自分の言い出した事業ですから、「私が保証人になる!」と公庫に提案しました。

この場合、お嬢さんが以前別の会社にお勤めの頃であれば(収入や勤続年数によりますが)保証人として相談できるのですが、社長と同じ会社の場合、保証人としては難しくなります。

会社という船が沈む時は一緒に沈むからです。

社長の奥さんも同じ会社に勤務していれば(役員でも)考え方は同じです。

ただ、いないよりもましです。
最悪の場合、お二人が他の会社等で働いて返すという選択肢もあるからです。

奥さんと娘さんの両方を保証人にたてると相談する方法もありえます。

ちなみに、社長のご両親はどうでしょうか?
社長には75歳のお父さんとお母さんがいらっしゃいました。

ご両親の収入がいくらあるのかや、持家かどうかなどにより異なりますので一慨ではありませんが、

年金収入のみの場合、年金は法律的に差し押さえできない債権となるので、難しいところではあります。

ただ、持家でローン等も終わっており、本人達がまだまだ元気であれば相談には乗ってくれます。厳しい言い方をすると、持家であれば逃げる可能性が低いからです。

ただ、例えは悪いのですが、持家が北海道の山奥だとどうでしょうか?
競売等々と言ってもなかなか大変ですよね。
ですから、ケース・バイ・ケースというお話になります。

4、保証人の資力はこれが目安です。
実は、今お話した「逃げるかどうか」ですが、一般のサラリーマンでも返せる融資額なのかどうかというのが一つの目安になります。

ズバリ言うと300~500万円くらいです。
実際に新規開業者の公庫からの平均融資額は400万円だそうです。
一般的に勤め人で人生において、一番高い買い物は何でしょうか?

第一は自宅です。次に新車でしょう。
新車で車を買う場合、300~4000万円くらいまでが一般的な値段です。

つまり、最悪、事業に失敗しても、勤め人で返済できるくらいの金額ならば、貸出をしても返済してもらえる可能性が高いわけです(勤め人に戻ったり、保証人が勤め人でも返済できる)。

ということは、300~500万円程度の返済ができる人が保証人ならば融資実行される可能性はグンと高まります。

先ほどの社長の例の場合、実家の両親が若干ですが農家の収入もあり、保証人になることで満額融資されました。

別に凄く収入のある方を保証人にする必要はありません。目安としては、借入額程度の収入がある方(今回の場合500万円程度)であれば、保証人として相談できると覚えておいて下さい。

保証人という制度自体に批判もありますが、信用のない段階では仕方のないところもあります。